TSショートショート 009 女体変化の秘宝 ~とある夏休みの冒険~


「いいから開けてみろって」

 怪しげな箱だった。人気のない放課後の教室にそれは置かれている。
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 お調子者の同級生、山崎マサオ(高校二年生)だった。

「オレも興味あるな」

 すらりと背が高く、メガネが理知的な鷲塚シュウ(高校二年生)。

 そしてオレ、全てにおいて平凡そのものの平山コウタ(高校二年生)。

 いつもつるんでアホなことばかりやっているのだが、この夏は様子が違っていた。

 実は親がとある大使館の現地職員をやっているマサオは、国家の危機に関する重大な機密を知ってしまったらしい。

 まるでスパイ映画だ。

 しかし、そんな話を一介の高校生が知ったところでどうなるもんでもない。

 そんな時、地域の名士らしいシュウが代々伝わる怪しげな箱を持ってきたのである。

 まあ、本当に価値があるものは適切に処理がなされているので、これもただ古いだけのガラクタらしい。

 コウタが力を込めると一気にその箱が開いた!

 ボン!と音がして周囲に煙が立ち込める。

 一斉に咳き込む三人。

「全く…なんなんだよ」

 だが、マサオとシュウの目に飛び込んできたのは…鮮やかに紅いリボンだった。

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「…何だよお前ら」

 そう言ったコウタだったが、自分でも違和感がある。…視界が…低い?

「あああああああああーっ!!」

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 妙に脚が涼しいと思ったら…い、いつの間にかスカートを履かされてる!!

 思わずミニスカートなのにガニまたになってしまう。

 こ、これは…女子の制服じゃないかぁ!!

 そう言えば全身が妙に柔らかくてすべすべするし…胸も苦しい…って、これ…オレのおっぱいかぁ!?そしてブラジャー…。

「コウタお前…お、女に…」

「何で制服まで女子の着てんだよ」

「お、オレが知るか!」

 甲高い声だった。

 コウタは一瞬にして女子高生になってしまったのだ!

 これも秘宝の効果だというのか!?

「か、可愛い…」

 一瞬にして間合いを詰めたマサオが美少女と成り果てたコウタを黒板に追いつめる。

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「なんて可愛いんだ…」

「お、おいバカよせ!オレは男だぞ!」

「男のクセに女子の制服なんぞ着やがってこの変態が!」

「知るかよ!着たくて着てんじゃねえ!気が付いたら勝手に着せられて!」

 マサオの手がコウタに迫る。

「おい…お前本気かぁ!?」

「いいじゃねえか!減るもんじゃなし」

「うるせえよ!…よせ…やめろって!」

 無理やり振りほどいて教室の中を逃げる“女子高生”。

 二人とも後を追った。

「よせ!来るな!来るなぁ!」

 脚を踏ん張り、手をつき出した次の瞬間!

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 育ちざかりの男子二人が、手も触れていないのに宙に吹っ飛ばされていた。

「うわあああああ~っ!」

 けたたましく机や椅子を巻き込んで倒れる男二人。

 茫然と自らの手を見るコウタ(可愛い)。


 PK(サイコ・キネシス、念動力)が発動した瞬間だった。

 コウタは性別と引き換えに超能力を得たのだった。

 この後、国家の陰謀に立ち向かう男2人、女1人の凸凹(でこぼこ)トリオによるひと夏の大冒険が幕を開ける。

 …のだが、これはショートショートなのでここで終わる。

(END)

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