TSショートショート 001 ガラスに映る美少女

 はあ…。

 目の前の硝子(がらす)に映る美少女…ってことにしておく…を観ながらため息をついた。 本で口元を抑える仕草も堂に入っている。

 身体の内側に向かって腕を畳む仕草やら、ぴたりと閉じられて一部のスキも無いスカートの中の脚の配置も完璧だ。

 暖かそうなセーターに柔らかそうな安産体型。黒一色の髪も完全に自分好みだ。

 美少女が硝子(がらす)から視線を逸らした。

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 問題があるとすれば、硝子(がらす)に映る目の前の美少女が自分自身だってことだ。

 ある朝起きるとこの有様だった。

 まるでマンガだが、多くのそういったマンガと違う点は、周囲の環境まで一緒に変わってしまったことだ。
 まるでオレは生まれつき女だったみたいに身の回りの品物や名前は勿論のこと、周囲の人間もまたそういう認識だった。

 驚いて慌てふためきはしたものの、時間になると身体が勝手に…いや自然に…動いて身づくろいをしていた。
 着たことも無い女物の下着やらスカートやらも滞りなく着こなし、そのまま学校に出発していた。

 …女子高生として。

 その後なんだかんだで2年の月日が流れた。今や自分も女子大生だ。

 どういう訳かしらないが、この夜景がきれいなレストランで読書をするのが趣味らしい。

 いつか夢から覚めるだろうと思っていて結局冷めなかった。今じゃ男だったころのことが夢だったんじゃないかと思い始めてる。

 …これからどうなってしまうんだろうか…。

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